クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム―

クエイ兄弟―ファントム・ミュージアム―

平成29(2017)年6月6日~7月23日@渋谷区立松濤美術館(¥800)

やっぱり「ストリート・オブ・クロコダイル」は良いものだ。何がどう良いのかはさっぱりわからんが、わからないまま引き込まれる。抽斗を開けてみたくなる。人形の背中側を覗いてみたくなる。裏路地に迷い込みたくなる。

今回好きになったのは「カリグラファー」という短い映像作品。紙の男が浅葱色の羽ペンで文字を描くだけなんだけど、天井からにゅっと出てくるペン先や、男が線をスッと引いた時の手首の残像あるいは増殖、そしてその手首らがそれぞれクルクルと躍るように絵を描いていく様が気持ちいい。

一番刺さったのはカフカの「兄弟殺し」から着想を得た学生時代のイラスト。これはただのフェチ。暴力的なものってなんか好きだ。LSDというゲームの夜の埠頭のマップがツボ。こんなこと外じゃ言えない。いや、隠してる方がヤバイのか?